HOME > REPORT|世界のトップアーティスト・村上隆 第一回監督作品!今までの日本映画にはないスケールと世界観で贈る注目作『めめめのくらげ』について語る|SARUnet.com


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世界のトップアーティストとして活躍する村上隆が初めてメガホンをとった映画『めめめのくらげ』(4月26日全国公開)。震災後の日本を舞台にファンタジーの世界を描き出すジュブナイル作品『めめめのくらげ』は、実写とCGを融合し、なんとCG カットだけで約1000カット以上という、今までの日本映画にはないスケールと世界観で贈る注目作。
3月20日、村上隆がApple Store, Ginzaで行われるMeet the Filmmaker に登場。アニメーション研究家・氷川竜介氏と対談形式で、実写とCGを交えて紡ぎ出す独創的な映画の見所や制作秘話をたっぷり語った。



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氷川 最終的には実写とCGになったんですけど、やはり村上さんはアニメの比重が大きかったんですよね。

村上 氷川さんの展開されているアニメ評論のフィールドからとても影響を受けていました。金田伊功さんというアニメーターの方のモードが偶然にも日本の狩野派に酷似していること、日本の絵画製作においての空間成立方法とアニメーションにみられる空間の成立方法が似ています。もともとアニメは好きでしたが若いころにアニメ製作者にはなれなかったので。30歳になって僕の現代美術の世界と、金田伊功さん及び80~90年代の日本のアニメーションのモードを一本の線でつなげようと思ったのが「スーパーフラット」だったんです。アニメのモード、日本のオタクのフィギュアのモードを現代美術と合体させて発表してきたんですよね。

氷川 全世界に現代美術があって、アニメがそこに接続できることはとても新鮮で刺激的でしたね。

村上 今でこそクールジャパンで戦後のサブカルチャーを重要な文化として世界に打ち出そうということはありますが、僕らのアニメファン世代は日陰な感じで、表立って言うと「根暗」と言われていたんですよね。そこからの8mmフィルムのようなアニメーションを作ったりと若い子の間で広まって、インディペンデントとプロの境界があいまいになりましたよね。僕はNYに行ったりしていたので、それの派生が外から見ると大きなムーブメントに見えてきたんです。そこを僕が部分的につまみ出したので色々批判はありますが、アニメーションや特撮が好きだったので横目で見ながらまた片足を突っ込んだり、美術の世界とつなげたりしてきて、かれこれ15年ぐらい経ちましたね。

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氷川 ではどうして実写とCGで映画を作ろうと思ったのですか?

村上 当初はCGアニメーションテレビ番組をつくろうという話になり、15人で作り始めたんです。でも実際には進まず、今は60人になったけどそれでもまだまだ。というわけで、アニメを作ることは予想を遥かに上回って大変。キャラクターを演技させるのは技術力のある人間たちの集合体がなければ生まれないということは分かってきた。毛並みの羅列やモーションだけでは難しいと実体験で最近分かってきた。スプラッタームービーを作っている製作の西村さんと出会い、実写を提案されたんです。その時はめめめではなく、ホラーっぽい作品にしようとしたんですが、僕自身がホラー好きじゃないので脚本の段階でどんどん変わってきて、煮詰まってきちゃって。その時、3.11があって、西村さんに電話をしてこの状況では出来ないと断ろうとしたら、西村さんが「あの企画、今だからやりましょうよ」という話をしてくれました。それで、企画2ヶ月、夏に撮影と決めたんです。でも企画段階で世界観が煮詰まってしまい、昔の企画書を掘り出してみて「10年前から大事にしていた企画なんで今回みたいに試験的に作るものじゃないんですが」と言ったら、西村さんたちに「映画はそういうことじゃできないんだよ」と説教されて全部さらけだすことで作り始めたのが、『めめめのくらげ』の実写だったんです。

氷川 それで撮影はじめられたんですね。(テーブルの上のキャラのぬいぐるみを見て)このキャラクターは?

村上 元々特撮とマペットの映画のつもりだったんです。実は、くらげ坊は、アニメの企画段階ではねずみ男をイメージしていて、恐ろしげで魔界へ誘う案内人でした。実写でやりたいと言ったが、西村さんに「スプラッタームービーを作る僕らが言うのはなんですが、怖いですよ」と言われ、僕が描いているファンタジーにはならないので可愛いくらげ坊になりました。るくそーは実は別のキャラクターの名前と間違えて企画段階で伝えたのが、そのまま脚本になり今に至ります(笑)。このキャラは最初の名残を残して着ぐるみなんです。

氷川 このキャラが主人公とヒロインのふれんどなんですよね。一応、BOY meet GIRLな話ですよね?

村上 アニメだとこのぐらいの子供たちがでてくるんですが、実写だとあまりないなと思ったんです。アニメの世界観のように子供たちがドタバタする世界観を作りたかったんです。

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氷川 正解だと思いますよ。ステレオタイプではなく、昔見たスチュエーションコメディっぽいというか。こういう子供たちがまだいるんだと新鮮に見えたんですよね。

村上 映画を作るにあたって参考にしたのは、自分自身も幼少のころに夢中になっていた「悪魔くん」「河童の三平」でした。その子たちが日本の震災の世界をドタバタと動き回るイメージがあったんです。

氷川 震災も物語上のキーワードになっていますね。

村上 そうですね。短編で撮影1ヶ月でサクッと終わらせる予定でしたが、2年以上たってしまった。2年以上同じ作品に関わってくると、自問自答するようになり、色々発見することがあったんです。日本の混沌とした状況は、僕らの子供の時と少し似てますね。僕の子供のころは世界が汚染されていって抗えない時代を生きているという絶望感があったんです。でも震災の前はそれが無くなったのに、震災後は一変して戦戦恐恐とした毎日を過ごしています。世の中の構造が似ていて、自分が知っているドラマを別の形でリアリティを持ってはきだせるんじゃないかと思ったんです。

氷川 村上さんだからアーティスティックな感じかと想像していたらドラマ感があり、メッセージをすごく感じましたね。

村上 日本が持っている問題とそこから自力では逃げ出せない子供たちの活躍とかを中心にすることで、日本を語れればいいなと欲が出てきたんですよね。ポスプロのときに撮ってないCGがたくさんあることに気付き、脚本も変え、3ヶ月前に音楽もオープニングも変え、濃度が上がって自分が作りたいものに近づいていっていると思います。パート2を撮っていたらパート1の不完全な部分も分かり、1ができたんじゃないかと思う。作家のパッションも伝わったんじゃないかな。

映画『めめめのくらげ』は4月26日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開

原案・監督・キャラクターデザイン:村上隆 
出演:末岡拓人 浅見姫香 窪田正孝 染谷将太 黒沢あすか・津田寛治・鶴田真由・斎藤工
主題歌:Last Night, Good Night(Re:Dialed)/livetune feat. 初音ミク
配給:ギャガ 制作:カイカイキキ
©Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

officialsite:http://mememe.gaga.ne.jp/

文:トグチタカシ
写真:Takanori Tsukiji(STARSERVERCLUB)

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Interview Vol.33(9/6UP)
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(植木豪 from PaniCrew/大野愛地/魚地菜緒)

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B-BOYのあるべき姿って、この先にどういう可能性があるかを考えて自分の道を進んでいくことだと思うんです。」



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