HOME > インタビュー Vol.29|tofubeats


インディーズでの活動期より、メジャーアーティストのリミックスを多く手掛け、アルバム『lost decade』がiTunes総合チャートで1位を獲得するなど注目を集めていたtofubeats。初めてtofubeatsの存在を知った時に感じたニュートラルな印象は、メジャーデビューしてからも変わらない。その活動は、コンパスのように支点は変わらず、描く円がどんどん大きくなっているようなイメージに近い。

そんな彼が、メジャーに活動の場を移して2枚目となるニュー・アルバムをリリースした。Okadada、岸田繁(くるり)、KREVA、小室哲哉、Skylar Spence、玉城ティナ、Dream Ami、中納良恵(EGO-WRAPPIN’)など、超豪華なゲストアーティスト達が参加したアルバムタイトルは『POSITIVE』。自身のことを「もともとネガティブ」だと語るtofubeatsが、ポジティブに舵を取った世界とは。







メジャーデビューから約2年になりますが、大活躍ですね。ご自身ではこの状況をどう感じていますか?

2年続いて良かったなと思います(笑)。色々な仕事をやらせてもらっているんですけど、そこまで大活躍だな〜という自覚があるわけでもなくて、ずっと同じ感じで続けられているので、ありがたいです。

今年もSMAPさんをはじめ、リミックスなどを多数手掛けていましたが、どれも原曲の良さがありつつtofubeatsさん感が出ていて良かったです。リミックスにおけるセオリーなどあるんですか?

原曲には原曲の良さが絶対にありますし、原曲を好きな方もいらっしゃるので、それを潰して作り変えるのだけはよくないなと思っています。あくまでも自分は角度を回してあげるというか、違うところから見れるようにするというのを意識していますね。

常に原曲のファンを意識して作っているんですね。

そうですね。なおかつ、原曲を好きな方が違う角度に気付いてくれたらいいなと思っていて。それが出来ているかいないかはさておき、そういう気持ちでいつも作っています。

ニュー・アルバム『POSITIVE』ですが、ゲストアーティスト陣が並んだ資料を見てビックリしました。これを世に出すという、今の心境を聞いてみたいです。

作っている時は違和感ないと思ってたんですよ。いつもリリース前に、自分でウェブサイトを作るんですけど、ゲストアーティストを並べた画像を仕込んでる時に「なんだ、この並び」と思って(笑)。そこで初めて、ちょっと面白いな思ってきました。

SARUnet.com/tofubetas_POSITIVE.JPG

メジャー1stアルバムである前作『First Album』の制作がタイトだったという話がありましたが、今回はいかがでしたか?

『First Album』に比べれば、今回は先行シングルが「STAKEHOLDER」だけだったこともあって、そこまで無理なくできました。その余裕が、このアルバムをキュッとまとめてくれて。前作を踏まえて、制作のスケジューリングをしっかりやっていこうというのがあったので、それが成功したんじゃないかなと思いますね。相変わらずバタバタはしたんですけど。

タイトルも印象的ですよね。これまでにリリースしたアルバムのタイトル『lost decade』『First Album』は、その時のtofubeatsさんの状況とリンクしていたように思いますが。

自分でもこのタイトルになった時にヤバいなと思ったんですけど(笑)。けっこう最初の段階で決まっていて、これは“ポジティブになっていこう”という意味でつけたタイトルなんですよ。

どういうことですか?

一番初めに玉城さんとの曲を作っていたんですけど、曲が書けなさすぎて、締め切りを飛ばしてしまったんです。スタッフから東京によばれて、話してる時に「もっとポジティブになった方がいいよ、ネガティブすぎるよ」と言われて。もともとネガティブだと思うんですけど、その言葉が自分の中で残っていたんですよ。社会人も2年経って、あんまり愚痴とか言ってられへんな〜って。その後のデザイン会議でこの話をした時に、デザイナーが紙にPOSITIVEって書いてみたら、意外と字面いいね!みたいな。それで仮タイトルになったんですけど、そしたらPOSITIVEという言葉に引っ張られて、今回はPOSITIVEありきで作ったので、最終的にポジティブな感じになったのかなと思います。

今回のアルバムタイトルは制作中のメンタルとリンクしていたんですね。

最初は超ネガティブだったんで、ポジティブに上げてこう!みたいな(笑)。そうしたらAmiさんも決まって。

そういう時系列なんですね!?

POSITIVEを仮タイトルにしてからAmiさんにオファーしてるので。

なるほど。しかしこれだけのアーティスト陣が参加すると、自然とポジティブになれそうですし、POSITIVEという言葉にも説得力も出てきますね。

そうですね。あと、こういう並びを恐れずにいってみよう!っていうのはありました(笑)。

アルバムと同名の「POSITIVE feat. Dream Ami」は、色んな音楽を昇華して生まれるtofu印のポップスというか、聞くだけで無条件に楽しくなります。すでに先行配信もされていますが、手応えは?

毎回そうなんですけど、曲ができた時が一番嬉しいので。自分では、世の中に出た時の反応はそこまで分からないんですよね。でも、いい曲だねっていう反応は嬉しいです。

個人的にはKREVAさんのフィーチャリングが、特に驚きでした。tofubeatsさんが音楽を始めた時には、もうKICK THE CAN CREWでデビューしていましたよね。

そうです、KICK THE CAN CREW全盛期ですね。

KREVAさんについてどんな印象をお持ちでしたか?

若手のラッパーを呼ぶというのも最初は考えていたんですけど。POSITIVEってなった時に、ポジティブな人を呼ばなきゃと思って、KREVAさんが思い浮かんだんです。つまり自分の中で、ポジティブな印象のあるアーティストですね。やっぱりラップをあそこまで大きいところにもっていった人なので。

確かにKREVAさんの曲はリリックも力強くポジティブな印象があります。

これはいつも思うんですけど、有名な人とコラボするのは、もちろんボクが下駄を履かせてもらってるというか、よくしてもらっているというのはありますけど。なによりも、J-POPを分かっている人たちとご一緒することによって、ボク自身がJ-POPとはなにかが分かる。それがやっぱり嬉しいし、面白いからやりたいというのがあります。そういう意味では、色々通ってきた人とやりたいので、KREVAさんにお願いしました。

tofubeatsさんとkREVAさんって、なんか似てるなと思っていて。

マジですか(笑)?

曲も作ってラップして歌って、プロデュースもして。

役割の部分ですね。ボクのクオリティが全部1/3ないぐらいになっちゃいますけど。

日中に作業して夜は寝るとか。

そこは意外とみんなそうだと思いますけどね。やっぱり人間として良い暮らしをすることが、音楽に繋がるのはあると思います。

KREVAさんとは面識あったんですか?

メールのやり取りで制作したので、曲が完成してから初めて会ったんですよ。

そうだったんですか!?

KREVAさんが曲を聞いて、OKだったらご一緒して頂けるというお話だったんですけど。デモを渡して、OKを頂いて。KREVAさんが自分のスタジオでスグにラップを仮で録って送ってくれて、それに対してボクが返してというのを繰り返しメールでやり取りして、完成しました。こんなにスムーズなことも、なかなかないのでビックリしたんですけど。早いんですよ、KREVAさん。

tofubeatsさんも仕事早そうですよね。

KREVAさんの方がめちゃくちゃ早かったですよ。メールして、1時間くらいで録って返ってくるので、スゴいな〜と思いました。

この曲、『First Album』に収録されていた「poolside feat.PES(RIP SLYME)」感がありますよね。

ああいうラインというか、モテる先輩とやる感じ(笑)。

内容も面白かったですが、KREVAさんの歌詞は。

KREVAさんが書いています。最初“Too Many Girls“っていうフレーズだけ出てきて、歌詞もそれだけだったんですけど。サビを考えてもらおうと思って、Too many girlsって歌ってるところだけ送ったんですね。そうしたらKREVAさんがToo many Girlsに対して歌詞を足してくれて、そこにラップものって返ってきて。だからサビがToo many girlsに決まっちゃったんですよ。こんなことってあまりないので、自分でも珍しいな〜と思っていたんですけど。でもそこで初めて、俺どうしよう、キャラにそぐわないと思って考えて(笑)、ああいう歌詞になりました。

KREVAさんと会った時に、曲の感想はありましたか?

曲の感想は「良かったよ」ぐらいの感じでしたけど。ボクはとにかく「KREVA さんかっこいいな」と思って見てました(笑)。

他の曲の歌詞はどうなっているんですか?

「Too Many Girls feat.KREVA」と「Without U feat.Skylar Spence」以外は、全部自分が作詞しています。

女性アーティストをゲストに迎えた曲もそれぞれ違いますし、色んな視点を持っている方だな〜と再認識したんですけど。以前、某番組で「OLになりたい」っていう発言もありましたけど。もちろん冗談もあるとは思うんですけど。

いや、でも半分ガチ(笑)。

半分ガチ(笑)。女性の視点で物事を見てるとこもあるんですか。

ボクは、OLが聞いていると言われていた曲が本当に好きで、古内東子さんとか。普段からそんなのばかり聞いているので、そういうのを作りたいっていう感じですね。

tofubeatsさんもKREVAさんもBONNIE PINKさんとコラボしていますし、そういう部分も似てるな感じたんです。

あ〜、そうかもしれないですね。それこそKREVAさんは古内東子さんと曲を作ってましたし、確かに趣味は近からず遠からずの可能性はありますね。

これだけのゲストアーティストが参加しても違和感がなくて、成立するバランス感と漂う期待感が本当にすごいなと改めて思います。フィーチャリングの哲学みたいなものってありますか。

自分なりに決着しそうな人にしかオファーはしていないです。僭越なんですけど、曲を作って両者が良くなれたらいいなといつも思っていて。ボクも知名度では貢献できないんですけど、ご一緒することで「歌ってよかったな」と思ってもらいたいのはもちろんあるので。だから基本的に誰を並べても違和感はないはずなんですけど、さすがに今回は画像を並べていたら違和感がありましたけど(笑)。

最強のメンバーみたいな。

自分で考えた野球の理想のスタメンが叶っちゃったみたいな(笑)。今回のオファーも誰か断られるだろうと思っていたので、ゲストアーティストの写真を並べた時にビックリして。出来上がって本当に良かったなと思います。

メジャーで活動しているからって実現出来るスケールでは、なかなかないと思うんですけど。最初に「同じ感じで続けられている」っていう話がありましたが、メジャーに活動の場を移したことで、tofubeatsさんの踏み出す一歩が大きくなったのかなと思います。

それはありますね。ボクがやっていることは変わっていないっていう話で。こういうオファーものに関しては、逆にメジャーにいる時にしか出来ないことだと強く意識しています。

『POSITIVE』をキッカケに、さらにtofubeatsという存在に期待が集まりそうですね。

『POSITVE』が出るまで分からないですけど、こんなに期待が集まっていたのかと思えたらいいですね。

Release Information

ARTIST:tofubeats
TITLE:POSITIVE
RELEASE DATE: : 2015年9月16日
初回限定盤(WPZL-31099) ¥3,600(本体)+税
通常盤(WPCL-12238) ¥3,000(本体)+税


SARUnet.com/tofubeats_positive.jpg

■収録内容

【Disc1】CD ※初回盤・通常盤共通

1. DANCE&DANCE
2. POSITIVE feat. Dream Ami
3. T.D.M. feat. okadada
4. Too Many Girls feat. KREVA
5. STAKEHOLDER
6. Throw your laptop on the fire feat. 小室哲哉
7. I know you
8. Without U feat. Skylar Spence
9. すてきなメゾン feat. 玉城ティナ
10. くりかえしのMUSIC feat. 岸田繁(くるり)
11. 閑話休題
12. 別の人間 feat. 中納良恵(EGO-WRAPPIN’)
13. I Believe In You

【Disc2】DVD ※初回限定盤のみ付属、tofubeats music video集

1. 水星 feat. オノマトペ大臣
2. No.1 feat. G.RINA
3. Don’t stop the music feat. 森高千里
4. おしえて検索 feat. の子(神聖かまってちゃん)
5. ディスコの神様 feat. 藤井隆
6. Her Favorite & 衣替え
7. Come On Honey!feat. 新井ひとみ(東京女子流)
8. poolside feat. PES(RIP SLYME)
9. 20140803
10. 衣替え feat. BONNIE PINK
11. STAKEHOLDER
12. 朝が来るまで終わることのないダンスを

メジャー2ndアルバム『POSITIVE』特設サイト
http://www.tofubeats.com/positive/

オフィシャルサイト
http://www.tofubeats.com/

インタビュー:トグチタカシ
写真:Masaoki Fujisawa
映像:SARUnet.com



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