HOME > インタビュー Vol.27|porehead

満を持して—そんな言葉がピッタリだと思っているのは、自分だけではないはずだ。

昨年、結成1周年の日に渋谷WWWで開催したワンマンライブ「ウィゴレリラ」を大成功に収めたporeheadが初の音源『Amethyst』をリリースする。2月の誕生石でもある”アメジスト”をタイトルにしたミニアルバムには、人間なら誰もが持つ二面性を、内から外から、繊細で力強く、様々に照らし出す6曲が詰め込まれている。

時に寄り添い、時に鼓舞してくれるような。日々の生活に彩りと発見を与えてくる一枚になっているのではないだろうか。

今回SARUnet.comでは、poreheadがリハーサルを行っているスタジオを訪れメンバーに話を聞いた。そこで、poreheadというバンドの内側に流れる、クールでクレバーな一面と、ストイックで情熱的な一面に触れることができた。






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(左から/Ba.MattSun/Vo.Hironori Kusano/Dr.Lyo/Gt.Takeshi)

アルバムのことを聞く前に。まず、結成1周年(2014年7月4日)に開催したワンマンライブ「ウィゴレリラ」について伺いたいんですが。ボクも実際に会場で見ていて、リリースのないバンドが、あれだけの人を集めて盛り上がって、大成功だったと思うんですけど。

Takeshi  結成1周年の日にワンマンライブをやるって決まったのが、2013年12月だったんです。日程と場所だけおさえて、そこに向けて準備をしていく中で、ライブを重ねながら曲作りを本格的に始めたのが4月ぐらいですね。なんとか曲が揃って1時間30分のライブセットが出来て…もっと達成感があるのかなと思っていたんですけど、それほどなかったというのが正直なところです。それは自分たちが「もっとこうしたい」「こんな曲をやりたい」というのがある中で、そこで満足しなかったのが一番の要因だと思います。もちろん楽しかったですし、一定の達成感はありましたけど。

MattSun それたぶん、全員一致なんですよ。ボクもそうなんですけど。楽屋に戻って、全員で顔を見合わせて「アレっ?」っていう反応がありましたから。

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それは意外ですね。もっと「イエーっ!」ってなっていたかと思いました。

MattSun 全然ですよ(笑)。その想像と違ったというのは、良い意味でだと思うんですけど。Takeshiも言っていたように満足感はなかったっていう印象が強いですね。もちろんたくさん準備をして、あの時点で出来ることとしてはやり切ったかなと思うんですけど。

Takeshi タイミングもあると思います。何年も活動していて「いよいよだ!」っていうのとは違いますから。結成1年で、半年前からやると決めていたことを達成出来たということで。満足感と達成感は違うと思うんですよね。

Hiroさんはどうですか。

Hiro ワンマンライブをやったということよりも…どう取られるか分からないですけど、想像と違いました。もっと出来たと感じる部分や、自分たちが思っていたよりも盛り上がった部分、逆に足りなかった部分とか、そういうものを感じることが出来たので良い経験でした。

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ワンマンライブを終えてからは『Amethyst』に向けて動いていた感じですか。

MattSun 区切りとしてワンマンを目指していて。そしたら「次は音源だよね」というのは、ザックリと話していたんですけど。

Takeshi 個人的には、ワンマンでやっていた曲がもうちょっと入るのかなと思っていました。

ボクもそこが意外でした。ワンマンでやっていた曲で『Amethyst』に収録されているのが「Wings」「Monster」「Dancing in the moonlight」の3曲だけだったので。

Takeshi メンバーそれぞれのやりたいことや選曲だったり、どういう作品にしたいかとか、擦り合わせながら作り上げたので。もちろん全ての曲が同じテーブルには並んでいたんですけど、「もっと出来るでしょ?」という+αをさらに並べて完成したのが『Amethyst』に収録されている6曲になっています。


良い意味で予想を裏切られました。さらに、ドラムのLyoさんが加入し4人体制になったこともニュースですね。

Takeshi Lyoはワンマンを見に来ていたんだっけ?

Lyo 見ていました。

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Lyoさんから見た「ウィゴレリラ」でのporeheadはどう映りましたか。

Lyo ボクもそっち(ステージ)に居たいなと思いました(笑)。

Takeshi Lyoは以前にサポートで叩いてくれていたんです。だから実際に叩ける曲もあって、余計に…というのはあると思うんですけど。

『Amethyst』に収録されている曲は、人間の内面を様々に照らし出している曲が揃っています。特に「アメジスト」はYouTubeでもMVが公開されていますが、キャッチーさもありつつ、言葉遊びも面白くて、何回も聞いて見てしまいました。

Hiro 「アメジスト」は、スタジオでメロディをいれる時に適当な言葉を口ずさんでいたんですけど、もうその瞬間に「この曲は日本語なんだな」って感じたんです。英語はそんなに意識しないで、日本語の発音や面白い言葉をこの曲でやりたいなと思って作りました。

アルバムタイトルにもなっているアメジストですが、アルバムが発売される2月の誕生石で、神秘的な魅力があるそうですね。

Hiro アメジストというタイトルを付けたのは…ちょうどワンマンライブぐらいから、曲に対して色々考えることがあって。例えば「元気出そう」「努力しよう」「頑張ろう」とか、そういう曲を作ろうと思った時に、ちょっと自分の中で抵抗が出来てしまって。そういう曲を作れないというか…たぶん、精神的に病んでいたんだと思うんですけど(笑)。「じゃあ、この感覚はなんなんだろう?」って、そこを掘り下げて描写をしていきました。人間って、真面目な部分もあれば、嫌になってブチ壊したくなる時もあるじゃないですか、そういう内面や外面の二面性って誰しも持っている部分だと思うんです。決して重い曲ではないんですけど、そういうのを描写して出来た曲です。

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Hiroさんは全ての曲で作詞をされていますが、どれも聞けば聞くほどに発見があります。

Hiro 「こういう意味です」って自分で説明するのは違うと思っていて、聞く人それぞれが感じとってくれたら良いと思います。答えは一つじゃないって言うか、受け手が自由に「どうぞ感じとって下さい」と思います。

どのようにして曲が生まれているのか気になります。

Takehsi  基本的にトラックが先です。曲作りって、バンドによって違うと思うんですけど。例えば、なにか一つのフレーズが出来上がった時にそこから全体のイメージが膨れ上がるものなのか、一つずつパズルみたいに組み立てていくのか。このバンドでは前者の方を大切にしていて、やっぱりそっちの方が曲が生まれる確率も高いんです。サビから出来るもの、イントロから出来るもの、それぞれなんですけど、基本的にはジャムって作ることが多いので、まずは骨組みを組み立ててから誰かが膨らませていく。そこからメロディーが乗っかっているものに対して、コードやアレンジを変えてみるという風に進めていきます。



メンバーさんそれぞれ経験や経歴もバラバラですが、poreheadの音楽として見事に昇華されているのも面白いです。

MattSun 手探りで一年半やって、結果的にこの形になったなという印象です。

Hiro まあ言っても、このバンド自体が一年半ですから。まだまだ完成形ではないと思っています。

Takeshi これはボクのバンド像というか、バンド論なんですけど。好きな音楽があって、それに対して人が集まったりする。高校生とかってそうじゃないですか?「メタルが好きだから一緒にやろう」「ビジュアル系が好きだから一緒にやろう」とか。このバンドは、音楽が好きな人間が集まった集合体なので、それぞれがやってきたことや好きなジャンルが違う中で、メンバー個人の好みが曲に100%反映されるのは難しいと思うんですね。でもそれで良いと思うんです。大切なのは誰と一緒にやるかだと思うんです。今の4人が集まって、こういう音楽になっている。4色の絵の具を混ぜ合わせた時に、結果的にこういう色になったというか。そういう意味では「赤色好きだから、真っ赤な赤色になろうぜ!」って集まったわけではないんです。

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どんどん色が変化していくわけですね。

Takeshi 「もうちょっと赤に寄せよう」「青に寄せよう」とか、そういうことは曲によってはあると思うんですけど、今はそういう意味ではグチャグチャに混ぜた状態。だけど今は、その素直な色、自分達の原色を大切にしながらやっています。『Amethyst』が完成して、やっとそういう意味では今のバンドの”色”を知ってもらえる事が出来たので、今後どう変化していくのか。次回作が個人的にも楽しみですね。

ちなみに。『Amethyst』が完成して、そこに達成感はありましたか?

MattSun ワンマンと比べるのは違うかもしれないですけど。アルバムが出来てツアーも決まって、バンドとして前進するという達成感だったり期待感はありますね。ポジティブな意味で「もっと出来るだろ?」という気持ちはありますけど(笑)。

Hiro バンドとしても名刺がなかったんで。ファンの方とか対バンからも「あれ、CDないの?」みたいな(笑)。

MattSun YouTubeしかなかったからね(笑)。

Hiro 名刺を配るじゃないですけど、ここから知ってもらえるキッカケになるんじゃないかと思います。

確かにporeheadは、極端に情報が少なかったですよね。YouTubeにオフィシャルで上がっていた映像も「Dancing in the moonlight」「Wings」の2曲だけでしたし。

Hiro 音源がないバンドを見に行こうっていう発想になかなかならないですからね(笑)。まず出来て良かったなと思います。

Takeshi まずはバンドの作品を産むって事が大切だと思っていて。「もっと上手になったら」とか「もっと良い曲が出来てから」とか、それを切り取っていたらアルバムじゃないと思うんですよね、俺は。バンドのその瞬間の作品を残すことが大切だと思うんです。理想って常にあると思うんですけど、それに辿り着かなかったら出さないというのは無いかなと思います。そういう意味では、このタイミングでなければこの音にならなかったし、一年後に同じ曲を作っても良いと思えるか分からないし、もしかしたら生まれないかもしれない。そういう意味では常に今を切り取って提案していかないと、表現者としてはダメなのかと思います。「今の俺達はこうだよ!」みたいな。ずっと「俺もっと出来るよ!すごいよ!」って言っていたら、いつ出来るかもわからないし。今やれることを表現するのが、表現者だと思います。


MattSun 「まだ、本気出してねえし」っていうやつでしょ?

Takeshi 「いつ出すんだよ、その本気」っていう。理想に追いついた時に出したものは遺作なのかもしれない。もっと出来るというのが根底にあるからこそ、次の作品を作りたいと思えるんじゃないかな。

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Lyoさんはどうですか。

Lyo 10月末に合宿に行ったんですけど、そこで今回のアルバムに入っている3曲は作りました。

合宿したんですか?

Hiro 1週間ぐらい島根を拠点にしていた時期があったんです。ツアーのタイミングで島根から関西や九州に行って、また島根に戻るという感じで。そこで、一つ屋根の下4人で曲を作るという。

Takeshi 10月の段階で2曲は録り終わっていたんですよ。すごく時間のない中で11月に4曲録らなきゃいけなくて。もちろん昔の曲を掘り起こせばあったんですけど。「もっと出来ないか?」というところで、1週間の合宿で作っていったんです。やっぱりメンバー同士が離れていたら時間がかかるし、合宿があったからこの6曲になったのかなと思います。このタイミングで合宿が出来たのは、重要なことだったと思いますね。

MattSun あの場所じゃないと生まれていない曲とかあるしね。「Icebox」とか、あそこでなければアイデアも出てきていないと思うし。

「Icebox」は、特にセツなく洋楽っぽい感じもありますね。

Takeshi ゆったりした曲で、ゆったりしたところで作っていたので。モロ日本ですけど(笑)。

Hiro とりあえず、すごく寒かったんですよね、島根県。

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物理的に(笑)?

Hiro 物理的にこれはもう、寒い曲しかないでしょうっていう。

Takeshi でも大切だよね、そういう環境(笑)。環境が曲を生むってあると思うんですよ。

Hiro うん。島根のテーマソングですね!

MattSun おおっ!スケールが(笑)。

Takeshi デカくなったのか小さくなったのか分からない(笑)。

『Amethyst』発売後は、全国を回るリリースツアーも始まります。さらにスケールアップしたporeheadを見ることが出来るのかなと、個人的にも楽しみです。

MattSun バンドとして初めて音源を出して、そのリリースツアーということなので。今までは、それがない中で色々回っていたので(笑)。さっき言っていた名刺代わりじゃないですけど、また反応一つにしても変わってくるんじゃないかなと思っています。それにまだ、ライブで一度もやったことがない曲がたくさんあって、それはステージでやるまで分からないので。お客さんと一緒にライブを通して、また色んな見え方があると思うので楽しみです。2月4日の発売日に発表になりましたが、4月25日(土)にツアーファイナルが渋谷 duo MUSIC EXCHANGEであります。全国を回って、みんなで一緒に作った集大成を、そこで見せることが出来たらなと思います。

渋谷に集合ですね。では、最後にメッセージをお願いします。

Lyo 初めて音源を出して回るツアーなので、まだ会ったことがない方にもたくさん会えると思います。中には会場で偶然見る方もいると思うんですけど。そういう方たちとも、アルバムやツアーを共有出来たらいいなと思います。

MattSun ライブに行こうか悩んでいる人もいると思うんです。なかなか全国きっちり回れるわけじゃないんですけど、近くに寄った際はぜひ遊びにきてもらいたいです。絶対に楽しませます!

Takeshi 『Amethyst』が出ることで、Music VideoをYouTubeで見たりライブに来なくても移動中に聞いてもらえたり、身近な存在になると思います。その分、余計に"生"が欲しくなった時には、ライブに来てくれたら嬉しいですね。

Hiro 『Amethyst』を聞いて初めて知ってくれた方や、まだ会ったことがない地方のお客さんが、どんな盛り上がり方をするんだろうとか、楽しみですね。あと、アルバムの曲はもちろんですけど、このツアーで初めて披露する曲もあると思うので、そういう部分も楽しみにしていてくれたらと思います。

リリース情報


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『Amethyst』
2015.02.04 Release
¥1,944 (Tax in) /
GGR-0004

1. アメジスト(テレビ東京「音流~ONRYU~」2月度エンディングテーマ)
2. Wings
3. 夢追シンドローム
4. MONSTER
5. Dancing in the moonlight
6. Icebox

■Amethyst] Release Tour 2015

2/21(土) 渋谷Stra lounge(リリースパーティー)
3/13(金) 心斎橋VARON
3/19(木) 柏PALOOZA
3/20(金) 名古屋IMAIKE CLUB 3STAR
3/22(日) 西川口Hearts
3/26(木) 仙台HooK
4/1(水) 広島Cave-be
4/3(金) 福岡DRUM SON
4/5(日) 島根 松江AZTiC CANOVA
4/6(月) 梅田Zeela
4/25(土) 渋谷duo MUSIC EXCHANGE(ツアーファイナル)

http://www.porehead.com

インタビュー:トグチタカシ
写真:Masaoki Fujisawa
映像:SARUnet.com



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